フォート・ウイリアム・カレッジの開講科目

  • 倉橋 愛
    著者所属: 大阪大学言語文化研究科博士

書誌事項

タイトル別名
  • The Subjects Taught at the College of Fort William:
  • フォート・ウイリアム・カレッジの開講科目 : イギリスによるインド統治のための教育
  • フォート ・ ウイリアム ・ カレッジ ノ カイコウ カモク : イギリス ニ ヨル インド トウチ ノ タメ ノ キョウイク
  • ―イギリスによるインド統治のための教育―
  • Education for the Governance of British India

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説明

フォート・ウイリアム・カレッジ(FWC)は、1800年にインド総督ウェルズリー(Richard Wellesley, 1760-1842)によって、カルカッタ(現コルカタ)に設立された。このカレッジの目的は、インドの政府機関に配属される予定のイギリス東インド会社若手官吏に、インド統治業務に必要な教育を行うことであった。しかし、会社取締役会からの反対を受け、FWCは最初の5年程で、その規模を縮小せざるを得なくなった。 縮小命令後も開講が許されたのは、インド諸語科目であった。特に、ペルシア語とヒンドゥスターニー語が、FWC内では重視された。ベンガル語は当初重視されていなかったが、学生の関心が高く受講者も多かった。また、アラビア語はペルシア語やイスラーム法の研究のため、サンスクリット語はインドの伝統的な思想を学ぶ上で不可欠であるとして、教育が続けられた。 FWCは、縮小命令を受けながらも約半世紀の間存続した。教育内容がインド諸語のみに制約されながらも多くの官吏を輩出したことは、FWCが残した功績の一つであると言える。

収録刊行物

  • 南アジア研究

    南アジア研究 2017 (29), 124-143, 2017-12-31

    日本南アジア学会

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