容器包装リサイクル法改正に向けての最初の検討――EU諸国との比較から――

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タイトル別名
  • The Amendment of the Containers and Packaging Recycling Law: A Comparison between Japan and EU Countries
  • ヨウキ ホウソウ リサイクルホウ カイセイ ニ ムケテ ノ サイショ ノ ケントウ : EU ショコク ト ノ ヒカク カラ

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説明

<p>1999年に制定された「容器包装リサイクル法」も施行から10年を迎え,2回目の改正に向けての検討に入った。容器包装リサイクル法については,自治体が担わされている現在の収集費用負担が過度であるとの指摘と同時に,自治体回収の非効率性の問題も指摘されている。また,自治体の負担が増大する中で,PETボトルのように資源市場の変動により有償化が進んでいる素材もあり,再商品化に関わる事業者の負担が減少するという状況も生じている。容器包装リサイクル法のもとでの家庭から排出される廃棄物と事業系廃棄物の分類の困難さや,取り扱いの差異も問題とされている。さらに,国内において再生品の市場の成長が不十分であること,リサイクル市場を支えるリサイクル業界自体が安定性を欠いていること等,法施行後10年でリサイクルをめぐりさまざまな問題が表面化している。こうした問題については,まずは,①発生抑制を促進するための方策,②リサイクルに関して,a. より高度なリサイクルを促進するための方策,b. より効率的なリサイクルを促進していくための方策,③現在あるリサイクルシステムを安定的に運営していくための方策に整理したうえで対策を検討する必要がある。本稿は今回の改正にあたって従来の容器包装リサイクル法の枠組みを超えた本質的な改正議論が行われなければ,その本来の目的である「廃棄物の発生抑制」が達成されないという認識のもとで,わが国に先駆けて容器包装リサイクル制度を構築してきた欧州の政策動向をここ数年の現地調査の結果を踏まえて整理し,わが国の今後のあるべき容器包装リサイクルシステムの検討に資することを目的としたものである。</p>

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