造礁サンゴによる物質代謝に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Coral ecophysiology from the perspective of biogeochemical cycles in coral reefs
  • 2015年度日本海洋学会岡田賞受賞記念論文 造礁サンゴによる物質代謝に関する研究 : サンゴ礁物質循環の視点から
  • 2015ネンド ニホン カイヨウ ガッカイ オカダショウ ジュショウ キネン ロンブン ゾウショウサンゴ ニ ヨル ブッシツ タイシャ ニ カンスル ケンキュウ : サンゴショウブッシツ ジュンカン ノ シテン カラ
  • ─サンゴ礁物質循環の視点から─

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説明

<p>光合成や石灰化,栄養塩吸収などに代表される造礁サンゴの代謝活動は,サンゴ礁生態系の中で起こる様々な物質循環に大きく関わっており,サンゴ礁物質循環の縮図ともいえる。そのなかでも近年は,分析技術の向上によって海水中の溶存態有機物(DOM)が比較的精度良く定量できるようになり,サンゴ礁の生態系・生物スケールでその動態に注目が集まっている。本論文では,生態系スケールでのDOMの動態と造礁サンゴからのDOMの放出をまとめ,そのC:N 比が同様の範囲にあることから,造礁サンゴが主要なDOM生産者の一つとして機能している可能性を議論する。また,貧栄養海域にもかかわらず,造礁サンゴがアミノ酸などの窒素化合物を含むDOMを放出できる理由として,造礁サンゴとその細胞内に共生する褐虫藻との間で行われている特殊な窒素保持機構を考察する。これら一連の研究から,サンゴ礁が貧栄養な海水で満たされているにもかかわらず,高い一次生産速度を維持できる機構が明らかになってきた。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 24 (6), 189-202, 2015-11-15

    日本海洋学会

参考文献 (68)*注記

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