脳血管障害患者に対する床からの立ち上がり動作練習の効果

  • 明﨑 禎輝
    厚生年金高知リハビリテーション病院リハビリテーション科
  • 野村 卓生
    大阪保健医療大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
  • 山﨑 裕司
    高知リハビリテーション学院理学療法学科
  • 佐藤 厚
    高知女子大学生活科学部健康栄養学科

書誌事項

タイトル別名
  • The effectiveness of exercise training to enable a patient with stroke to get up from the floor
  • ノウケッカン ショウガイ カンジャ ニ タイスル ユカ カラ ノ タチアガリ ドウサ レンシュウ ノ コウカ

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抄録

本研究では,脳血管障害患者に対して,逆方向連鎖技法に基づく床からの立ち上がり動作練習を実施し,その有効性を検討した.対象は,68歳,男性,診断名は脳出血であった.床からの立ち上がり動作は,仰臥位から片膝立ち位までは可能であったが,片膝立ち位から立ち上がることが困難であった.方法は,シングルケースデザインのAB法を用い,ベースライン期(4日)後に,介入期( 6日)を設けた.介入期では,症例の前に台を置き,片膝立ち位で台を押さえながらの立ち上がり動作練習を行った.台の高さは40cmから30cm,20cm,10cmと徐々に低く設定した.介入開始から6日目には台無しでも床からの立ち上がり動作が可能となった.また,床からの立ち上がり動作に対する不安感(Visual analogue scale)はベースライン期に8点であったが,介入期には3点へと減少を認めた.本研究で用いた動作練習によって,短期間のうちに床からの立ち上がり動作を獲得できたことから,床からの立ち上がり動作練習方法として有用なことが示唆された.

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