在宅精神障害者を支援する訪問看護師が抱える困難感─虐待とグレーゾーンの狭間で─

  • 森田 牧子
    首都大学東京大学院人間健康科学研究科看護科学域
  • 渡辺 多恵子
    淑徳大学看護栄養学部看護学科
  • 山村 礎
    首都大学東京大学院人間健康科学研究科看護科学域
  • 習田 明裕
    首都大学東京大学院人間健康科学研究科看護科学域

書誌事項

タイトル別名
  • Difficulty of visiting nurse who responds to inappropriate nursing care by carer to home mentally handicapped
  • 在宅精神障害者を支援する訪問看護師が抱える困難感 : 虐待とグレーゾーンの狭間で
  • ザイタク セイシン ショウガイシャ オ シエン スル ホウモン カンゴシ ガ カカエル コンナンカン : ギャクタイ ト グレーゾーン ノ ハザマ デ

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抄録

本研究は在宅精神障害者を支援する訪問看護師が,虐待まで至らない不適切な介護に対応する中で生じる困難感について,その実態を明らかにすることを目的とした。全国訪問看護事業協会に登録している訪問看護ステーションの訪問看護師を対象に自由記載質問紙調査を実施した。136 名の看護師から回答が得られ,質的帰納法を用い分析を行った。その結果,不適切な介護を認識した看護師に生じる困難感として,看護師は【問題とする事実を表面化する難しさ】【虐待者と被虐待者に同時にケアする難しさ】を感じ,家族と関係構築が出来ているために生じる【虐待者に感情移入してしまう】困難を覚えながら訪問を行い,【介入することのためらい】【多職種と認識を共有できないジレンマ】を感じていた。虐待のグレーゾーンという状況に介入する上で重要となる客観的な判断力と連携力を向上させる教育体制,そして看護師の心的負担を軽減する環境の整備の必要性が示唆された。

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