3ファクターラティスモデルによる2カ国の金利の確率的変動を考慮した派生商品の評価

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  • 3 ファクター ラティス モデル ニ ヨル 2カコク ノ キンリ ノ カクリツテキ ヘンドウ オ コウリョ シタ ハセイ ショウヒン ノ ヒョウカ

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抄録

<p>我々は,2カ国の金利及び為替レートを複合的に原資産とするアメリカンスタイルの派生商品を評価するための簡易で計算効率の高い3ファクターラティスモデルを開発した.</p><p>今回の我々のモデルでは,金利プロセスとしてHull/White[1990]の拡張Vasicekタイプの瞬間短期金利プロセス,為替レートには対数正規プロセスを使用し,これらの連続プロセスを2項モデルにより離散近似し,初期時点の金利の期間構造及び相関係数を再現するような経路独立型のラティスを構築した. 2項モデルの採用により,偏徴分方程式の数値解法等と比べ直感的に理解し易くなっており,PC等を用いて容易に実用化できる.さらに,初期時点における金利の期間構造を表現する項と将来の変動を表わす項とを分離することによって,金利の変化に対する価格の再評価やデルタ等のリスク計算を行う上での計算効率を向上させた.このモデルを用いることにより,長期の通貨オプション,通貨スワップション,キャップ付きデイファレンシャルスワップ,クオントオプション等の複合的派生商品をアメリカンスタイルを含めて評価することができる.数値例として,長期の通貨オプションを評価し,高速に実務上十分な精度が得られることを確認した.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 5 (0), 3-16, 1999-03-31

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

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