新規株式公開企業による調達資金使途に関する分析

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  • シンキ カブシキ コウカイ キギョウ ニ ヨル チョウタツ シキン シト ニ カンスル ブンセキ

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抄録

<p>新規株式公開(IPO)の主要な目的の一つは資金調達であるが,調達資金の使途に関する研究は限られている.そこで本稿では,Kim/Weisbach[2008]に依拠して,2000―2007年にJASDAQで公開した企業を対象に,IPOで調達した資金の使途について分析を行う.分析の結果,IPOによる調達資金は在庫投資,設備投資,R&D,手元流動性保有を促進し,総資産増大に寄与するが,長期有利子負債の償還には充当されないことが確認された.以上の結果は,IPOによる調達資金は主として投資に充当され,レバレッジ調整には用いられないことを示唆している.また本稿では,IPOによる資金使途の特殊性を析出するため,公募増資(SEO)の資金使途についても同様の分析を行った.その結果,SEOは短期的には在庫投資及び手元流動性保有を促進することが確認されたが,設備投資,R&Dに関しては有意な影響は認められなかった.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 32 (0), 33-54, 2012-09-30

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

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