長期療養型病床における非経口要介護高齢者のQOLとしての嚥下調整食―食分けした嚥下調整食物性評価と要介護高齢者嚥下機能の比較検討―

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タイトル別名
  • Evaluation of supplemental and oral deglutition foods in bedridden elderly patients receiving parenteral nutrition
  • チョウキ リョウヨウガタ ビョウショウ ニ オケル ヒケイコウ ヨウカイゴコウレイシャ ノ QOL ト シテ ノ エンカ チョウセイショク : ショクブンケシタ エンカ チョウセイ ショクモツセイ ヒョウカ ト ヨウカイゴコウレイシャエンカ キノウ ノ ヒカク ケントウ

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抄録

<p>目的:長期療養型病床入院中の非経口要介護高齢者に対して,安全を配慮した一日一食数口の嚥下調整食を提供した.調整食は嚥下評価後にとろみ食とゼリー食を選択している.今回調整食の物性と高齢者の嚥下機能を後方視的に比較検討し,機能に適した調整食が提供できていたか,調整食の食分けと嚥下造影検査の必要性を含めて検討した.方法:2012年から2016年12月の間に,長期療養型病床入院中の非経口要介護高齢者45名(平均年齢:87±8.2歳,男:23人)を対象に,ベッドサイドでの評価(Oral dyskinesia以下OD,歯の有無,フードテスト)と嚥下造影検査(video - fluoroscopic swallowing study以下VFSS,評価表,口腔咽頭通過時間,舌骨移動距離,口腔咽頭通過時間差)を施行した.調整食は物性測定(硬さ,凝集,粘着)を行い,厚生労働省消費者庁の嚥下困難者用食品表に拠り評価した.結果:嚥下調整食は物性により4群(とろみ①18人,とろみ②10人,ゼリー①10人,ゼリー②7人)に分類された.嚥下調整食の提供は平均8カ月持続した.嚥下機能と物性(4群)の比較では,ODは全患者の42%に認め,とろみ群に多かった.義歯ありはとろみ①に多かった.フードテスト評価点は嚥下調整食4群間で有意差を認めた.VFSS評価表は4群間で有意差を認めた.口腔咽頭通過時間の平均は嚥下調整食4群間では有意差を認めなかったが,とろみ①の通過時間は「早い群」と「遅い群」の2群に分かれ,5群間で有意差を認めた.舌骨移動時間は4群間で有意差を認めた.匙数は口腔咽頭通過時間の差に相関した.物性評価では4群間で有意差を示し,とろみ①・②は許可基準IIとなり,ゼリー①・②は許可基準IIIを示した.結論:嚥下調整食物性は,要介護高齢者嚥下機能に一致し4群とも必要であった.また安全面からVFSS必要と判断された.さらに嚥下調整食はQOLと機能維持に有用と思われた.</p>

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