転換パズルヘの接近—日本の転換社債市場における実証分析—

書誌事項

タイトル別名
  • 転換パズルへの接近--日本の転換社債市場における実証分析
  • テンカン パズル エ ノ セッキン ニホン ノ テンカン シャサイ シジョウ ニ オケル ジッショウ ブンセキ

この論文をさがす

抄録

<p>日本の転換社債は転換請求期間の終了時(償還時)のはるか以前から転換が始まり,以後断続的に進捗する.こうした転換は,標準的な現代ファイナンス理論の観点からするとパズルである.本稿は,転換行動について本格的な計量分析を行なうとともに,転換主体が誰であるかを識別しようと試みた.具体的には,流動性を提供する証券会社,マーケットインパクトを嫌う大口投資家や証券会社,転換という迂回的方法で投票権を確保したい主体,権利行使による希薄化を嫌う投資家,といった4つのケースを念頭において計量分析を行った.転換量についてのTOBIT分析は,証券会社在庫管理説,マーケットインパクト回避説とほぼ矛盾しない結果となった.またサンプルを分割したLOGIT分析により,売買高が多くCB価格もパリティを上回る転換開始時と,売買高が少なくCB価格がパリティ前後である転換進捗時とでは,上記ケースの蓋然性が異なるという結果を得た.</p><p></p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 2 (0), 23-48, 1997-09-30

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ