医療機関における院内暴力の実態と院内体制整備に関する研究

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タイトル別名
  • Workplace violence in hospitals in Japan and in-house management systems dealing with it
  • イリョウ キカン ニ オケル インナイ ボウリョク ノ ジッタイ ト インナイ タイセイ セイビ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

<p> 近年、患者や患者関係者による病院職員に対する暴力行為が顕在化してきている。本研究では、病院における院内暴力の発生状況、内容別の頻度及び院内暴力に対する院内体制の整備状況等を検討した。 </p><p> 社団法人全日本病院協会の全会員2248病院を対象に自記式質問紙調査を2007年12月から2008年1月に実施した。</p><p> 有効回答率は49.2%(1106/2248病院)であった。対象病院の52.1%(576病院)が過去1年間に6882件の職員に対する院内暴力を経験していた。原因者の86.9%は患者本人であった。また、院内暴力に対する組織的な管理体制の整備を行っている病院は1〜3割程度と少数であった。院内暴力を経験した病院では、そうでない病院に比較して院内体制の整備が進んでいるものの、職員の安全確保についての不安はむしろ高い傾向にあった。 </p><p> 本研究の回収率は約5割にのぼり医療機関の院内暴力に対する関心の高さが窺える。 現状では組織的な管理体制の整備が十分行われておらず職員の安全確保のためにも早急な対策が必要と考えられる。今後、質の高い医療サービスの提供を円滑に進めるには、院内暴力を未然に防止するために、ガイドラインや報告制度の整備等を普及することが優先度の高い課題であると考えられる。</p>

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