ポアソン変数の差の検定を正規分布近似検定で行なうときの近似度に関する研究

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タイトル別名
  • A Study on the Relationship of the Normal Approximation Test to the Poission Test (Part II)

抄録

ポアソン分布の母平均に関する検定(H_0 : λ=λ_0)に用いる適正な正規分布補正量は参考文献〔1〕で検討したが, 本報では二つのポアソン変量x_1,x_2の差の検定(H_0 : λ_1=λ_2)に関してx_1-x_2の真の分布を用いた直接確率検定と正規分布近似検定の間で4次モーメントまで一致させることにより, より近似度の高い統計量を求めた.設定過誤率α=0.05および0.01において片側検定(H_1 : λ_1<λ_2またはH_1 : λ_1>λ_2), 両側検定(H_1 : λ_1〓λ_2)いずれの場合も分布の尖鋭度を考慮した統計量およびAnscombeの多変換法の連続補正を考慮した統計量はともに直接確率計算における検定結果とほぼ同一判定を得ることができる.Yatesの連続補正を用いない近似検定は第1種の過誤を過大に評価する傾向にあり, この統計量を検定に用いるのは好ましくない.また本報で提案している尖鋭度を修正する補正量は表1からも明らかなようにそれほど大きな値ではない.したがって実用的にはYatesの連続補正のみ用いる正規分布近似検定でも十分であると考えられ, この連続補正はH_0 : λ_1=λ_2の検定を目的とする立場においては有効であることが判明した.この結論は2×2分割表におけるYatesの補正の検討である参考文献〔2〕のMantel, Greenhouseの主張と一致する.

収録刊行物

  • 日本経営工学会誌

    日本経営工学会誌 28 (2), 147-153, 1977-09-30

    公益社団法人 日本経営工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288099659904
  • NII論文ID
    110003948906
  • DOI
    10.11221/jimapre.28.2_147
  • ISSN
    24329983
    03864812
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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