金属焼付陶材の機械的性質に関する検討 : 第2報 焼成後の残留応力と変形について

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タイトル別名
  • Studies on the Mechanical Properties of a Metal-Ceramic Restoration : (Part 2) Residual Stress and Deformation during Cooling Down

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抄録

金属焼付陶材中の残留応力と変形を非静定梁の理論と有限要素法によって計算した.材料の物理的, 機械的性質は陶材の軟化温度から室温まで変化しないものと仮定した.熱膨張係数, 金属の弾性率, 陶材の軟化温度, 金属と陶材の板厚比の影響について調べた.<br> 次の結論が得られた.<br>1) 不静定梁の理論は有限要素法と良く一致した.<br>2) 熱膨張係数の影響に関する計算から, 残留応力と変形は金属と陶材の熱膨張係数の差に直接比例していた.<br>3) 金属の弾性係数が低ければ, 陶材中の残留応力は小さい.そして, 金属焼付陶材の変形も小さい.しかし, 弾性係数は熱膨張係数に較べて, 内部応力と変形にあまり影響を及ぼさない.<br>4) 陶材の軟化温度が低下すると内部応力は小さくなる.しかし, 軟化温度の影響も小さい.<br>5) 金属の板厚が金属焼付陶材の20%以下ならば, 陶材中の残留応力は小さい.しかし, 80%以上になると急激に増大する.金属の厚さが20%から80%の間ならば, 界面での応力はほぼ一定である.したがって, 金属の厚さをこの範囲で変化させても界面破壊の防止には有効でない.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 1 (1), 10-16, 1982-05-25

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (1)*注記

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