心身障害者のCrohn病・回盲部膿瘍に腹腔鏡下回盲部切除術を行った1例

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  • Laparoscopic Surgery for Ileoceacal Abscess due to Crohn’s Disease Occurred to the Patient with Severe Motor and Intellectual Disabilities

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抄録

<p>重症心身障害者に合併したCrohn病による回盲部膿瘍に対して腹腔鏡下回盲部切除術を行った1例を経験したので報告する.症例は,23歳女性.脳性麻痺,精神発達遅滞にて養護施設入所中であった.1カ月前より活気不良を認めたため,近医受診し,腸重積の疑いと診断され,当院へ紹介となった.入院時,腹部造影CT検査では回腸末端から上行結腸に至る壁肥厚,回盲部間膜内に膿瘍形成を疑う所見を認めた.腹腔内膿瘍に対して保存的治療による感染コントロール先行後に腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.摘出標本の肉眼的所見では,縦走潰瘍・瘻孔形成を認め,病理組織額的所見では,全層性炎症,類上皮細胞肉芽腫を認め,Crohn病の診断となった.意思疎通困難な重症心身障害者であり,診察所見も不明瞭で腹腔内膿瘍の早期診断は困難であった.保存的治療による感染コントロールを先行することにより,腹腔鏡による低侵襲・整容性にすぐれた手術が可能であった.</p>

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