<i>Streptococcus sanguis </i>Ⅰ の菌体表層核酸分解酵素と菌体外核酸分解酵素の比較検討

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  • Comparative studies on the cell surface DNase and the extracellular DNase of <i>Streptococcus sanguis </i>I

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抄録

<p>Streptococcus sanguis Ⅰ を好気培養し, lysozymeで消化後, Brij 58で処理, そしてSephadex G-100によるゲル濾過で菌体表層からDNase活性分画であるFr. ⅠとFr. Ⅱを得た。これらの酵素の至適pH域値は8.5であった。また, 酵素活性は Mg2+, Mn2+, Ca2+, Cu2+ の存在によって影響されなかった。一方, 菌体外 DNase はMg2+とMn2+の添加によって活性化され, Ca2+, Cu2+ ではその活性が抑制された。特にCu2+の高濃度(0.1mol/ml)では完全に阻害された。 SDS-PAGEによる分子量測定でFr. Ⅰ の分子量は約85,000~90,000, Fr. Ⅱ のそれは約40,000~45,000であった。これらの値は菌体外 DNase の分子量24,000とは大きくかけ離れている。0.8%アガロースゲル電気泳動分析において, Fr. Ⅰ とFr Ⅱ はともにnative thymus DNA, λDNA, fd viral DNA そして熱変性 thymus DNAを分解したことを示した。さらに native thymus DNA に対しこの比活性はFr. Ⅰ がFr. Ⅱ よりも大であったが, λDNA, fd DNA そして熱変性 thymus DNAに対するそれは, Fr. Ⅱ がFr. Ⅰ より大であった。</p><p>以上のことから, 菌体表層 DNase はnative thymus DNA だけに作用する菌体外 DNase と比較して, 数種のDNA基質を分解することから特異性の低い酵素であり, さらにFr. Ⅰと Fr. Ⅱ はそれぞれ異なる酵素活性を有することが示唆された。</p>

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