日本人とアメリカ人の会話マネージメントはなぜ異なるのか―教師と学生による会話の日英対照―

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タイトル別名
  • Why Conversational Management Differs between Americans and Japanese: A Contrastive Study of Teacher-Student Conversations in American English and Japanese
  • ニホンジン ト アメリカジン ノ カイワ マネージメント ワ ナゼ コトナル ノ カ : キョウシ ト ガクセイ ニ ヨル カイワ ノ ニチエイ タイショウ

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抄録

<p>本研究では,日本語とアメリカ英語の初対面の教師・学生ペアの会話をデータとして,会話マネージントに関わる発話行動を分析し,そこに反映する教師と学生の関係を文化・社会的観点から考察した.同一のテーマを与えられた日英語会話において,教師と学生が(1)会話開始時,どのように第一話題提供者を決めるか,(2)自身による話題提供後,どのように相手を次の話題提供へと仕向けるか,(3)話題が尽きたとき,どのように次の話題を探索するかを分析した.その結果,英語会話では,教師,学生ともに,相手の話題選択の自由を確保しながら話題提供を促す等,対等な働きかけを介して,二者のステイタスの違いを平均化する傾向が認められた.一方,日本語会話では,教師が一方的に話題を提案しながら学生に話題提供を促す等,非対称の発話行動が見られ,そこには疑似親子的な一体感が醸されていることが指摘された.日本人に特徴的な発話行動の仕組みは,理性と感性の二領域のはたらきを含めた「自己の二領域性」のモデル(清水,2003)を導入することにより,より適切に説明されることを論じた.</p>

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