山尾庸三が臨時建築局総裁に就任した経緯に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A STUDY ON THE HISTORICAL DETAILS OF YOZO YAMAO'S APPOINTMENT AS PRESIDENT OF THE ARCHITECTURAL BUREAU

抄録

明治21(1888)年2月,山尾庸三が井上馨に次ぐ第二代の臨時建築局総裁に就任した.工部卿を退任して6年余,法制局長官にまで栄進した後のことであった.これまで,伊藤博文や井上が総裁にと最初に目論んだのは品川弥二郎であったこと,伊藤は山尾を米国駐箚公使にすることを考えていたことが明らかにされている.本論文は,これらの人事案がどのように生まれ,また消失し,山尾の総裁就任に至ったのか,その経緯について詳細に論じたものである.その結果,山尾公使人事は遅くとも明治20年8月の段階でほぼ決定していたこと,品川総裁案は最終局面まで続き,山尾総裁人事が固まったのは就任直前であったことなど,幾つかの新事実を提示した.しかし,発掘した史実の多くは断片的なものであり,本論文の考察には筆者の推測的解釈に拠るところも多くある.

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参考文献 (24)*注記

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