滑脱型外鼠径ヘルニアの診断と腹腔鏡手術の工夫

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タイトル別名
  • Diagnosis and Laparoscopic Surgical Repair of Sliding Indirect Inguinal Hernias
  • カツダツガタ ガイ ソケイ ヘルニア ノ シンダン ト フククウキョウ シュジュツ ノ クフウ

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説明

目的:滑脱型外鼠径ヘルニア(以下,滑脱型)の診断と腹腔鏡手術(以下,TAPP)について検討した.方法:TAPPを行った片側の外鼠径ヘルニア317例を滑脱群 27例と非滑脱群290例に分け,さらに腹腔鏡所見から滑脱型を臓器がヘルニア嚢(以下,sac)の一部を形成する標準型21例と,sac全面に臓器が癒合する全面型6例に分類した.結果:CTの結腸脱出所見は滑脱群で全例にみられ,非滑脱群の6%より高率であった.標準型の10例はヘルニア門の環状切開が可能であった.残る11例と全面型6例では環状切開は困難で,腹側で精管と性腺血管を同定後,sac背面を鼠径床から剥離するヘルニア門上縁切開法(以下,SMI)を行った.SMIでは術中損傷はなく,手術時間は環状切開と有意差がなかった.結語:CTの結腸脱出所見は滑脱型の術前診断に有用で,SMIはTAPPで環状切開が困難な場合に役立つ方法である.

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