血液内科病棟の高頻度接触部位に銅製品を導入することによる殺菌効果

書誌事項

タイトル別名
  • Bacteriocidal effects of introducing copper products on highly touched areas in hematology ward
  • 臨床研究 血液内科病棟の高頻度接触部位に銅製品を導入することによる殺菌効果
  • リンショウ ケンキュウ ケツエキ ナイカ ビョウトウ ノ コウヒンド セッショク ブイ ニ ドウ セイヒン オ ドウニュウ スル コトニ ヨル サッキン コウカ

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抄録

<p>病院環境を介した院内感染は重要な問題であり,高頻度接触部位が主な伝播経路となる。銅は殺菌作用を有するため,院内感染対策の一環として銅製品の導入が注目されている。本研究では血液内科病棟にて高頻度接触部位であるドアハンドルに銅製品を導入し,従来品と比較することで殺菌効果の評価を行った。従来品では全12検体から細菌が検出されたが,銅製品は18検体中5検体と有意な差がみられた(P<0.0001)。検体1 mlあたりのコロニー数は従来品で中央値300(範囲:40~1.1×106),銅製品で0(範囲:0~220)と有意な差がみられた(P<0.0001)。従来品では多種の菌種が検出されたが,銅製品では主にBacillus subtilisであった。これらの結果から銅製品の導入は表面の細菌数・種が有意に減少するため,院内感染制御に有用である可能性が示唆された。ただし芽胞菌への効果はさらなる検証が必要である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (1), 3-6, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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