沖縄県のサトウキビ畑土壌における可給態ケイ酸の定量評価とその規定要因の解析

  • 矢内 純太
    京都府立大学大学院生命環境科学研究科
  • 野口 夏海
    京都府立大学生命環境学部
  • 宮丸 直子
    沖縄県農業研究センター 東京農工大学大学院生物システム応用科学府
  • 中尾 淳
    京都府立大学大学院生命環境科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of available silicate content and its determining factors in the soils of sugarcane fields in Okinawa, Japan
  • オキナワケン ノ サトウキビバタケ ドジョウ ニ オケル カキュウタイ ケイサン ノ テイリョウ ヒョウカ ト ソノ キテイ ヨウイン ノ カイセキ

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説明

<p>沖縄県で基幹作物として栽培されているサトウキビは,イネ科植物の有用元素であるケイ素(Si)の適切な管理による生育や収量の向上が期待される.しかし,沖縄県に存在する多様な土壌のケイ酸可給度に関する知見は未だ限られている.そこで本研究では,沖縄県全域の土壌試料の可給態ケイ酸を定量評価するとともに,その規定要因を解明することを目的とした.</p><p>沖縄県全域のサトウキビ畑の表層土合計120点(国頭マージ35点,島尻マージ50点,ジャーガル25点,大東マージ10点)を供試した.可給態ケイ酸は,pH 6.2リン酸緩衝液法で抽出し,塩酸モリブデン酸法により測定した.また,pH, 有機炭素,DCBおよび酸性シュウ酸塩溶解法によるFe, Al, Si濃度などを測定した.</p><p>沖縄県の主要な4種類の土壌試料の可給態ケイ酸の平均値(mg SiO2 kg−1)は,ジャーガル584>島尻マージ398>大東マージ263>国頭マージ148の順となり,国頭マージと大東マージを中心に沖縄県全体の約半分の土壌がケイ酸欠乏であると推測された.また,可給態ケイ酸は,pH, 非晶質遊離酸化鉄,有機炭素などと有意な正の,砂含量と有意な負の相関を示した(p<0.01).さらに,可給態ケイ酸を目的変数,上記理化学性を説明変数として重回帰分析を行ったところ,pHと非晶質鉄酸化物および有機炭素によって全変動の78%を説明できた.</p>

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