希少な遺伝的変異を対象とする集約型関連解析

  • 大谷 隆浩
    名古屋大学大学院医学系研究科
  • 菅澤 翔之助
    東京大学空間情報科学研究センター
  • 野間 久史
    統計数理研究所データ科学研究系 独立行政法人科学技術振興機構 CREST 立川

書誌事項

タイトル別名
  • AGGREGATION-BASED ASSOCIATION TESTS FOR IDENTIFICATION OF RARE VARIANTS
  • キショウ ナ イデンテキ ヘンイ オ タイショウ ト スル シュウヤクガタ カンレン カイセキ

この論文をさがす

抄録

過去十数年の間に世界中で行われたゲノムワイド関連解析 (genome-wide association study; GWAS) の成果により, 様々な形質に関連する数千の一塩基多型 (single nucleotide polymorphism; SNP) が同定されている. これまでのGWASでは, 集団内におけるマイナーアレル頻度がある程度高いSNPを対象として研究が行われてきたが, 近年のDNAシークエンシング技術の飛躍的な発展に伴い, 頻度が極めて低い希少変異 (rare variant) に注目した研究が行われるようになっている. 統計学的な観点からも, 希少変異の関連解析は頻度が高いSNPの解析に比べてより困難となることから, GWASで一般的に採用されている単一のSNPによる単変量の関連解析ではなく, 注目する遺伝子やDNA領域内にある複数の変異の情報を集約した上で, 表現型との関連を検定する手法が提案されている. 本稿では, 近年の様々な方法論的研究で提案されている, 希少変異を対象とした関連解析手法のレビューを行う.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ