難治性てんかんと視機能異常を認めた<i>CDKL5</i>遺伝子変異を有する男児例

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タイトル別名
  • A boy with a <i>CDKL5</i> mutation presenting intractable epilepsy and visual disturbance

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説明

<p> 難治性てんかんに視機能異常を合併したcyclin-dependent kinase-like 5 (CDKL5) 遺伝子変異 (CDKL5:c.2023_2026del [p.Phe675Ilefs*108]) を有する男児を経験した. 症例は, 40週2,958gで出生し, 周産期異常を認めず, 多発奇形や皮膚所見がない男児. 日齢25から四肢をぴくぴくする数秒の発作を認め, 日齢29に精査目的で初回入院となった. 頭部MRIや髄液検査で異常はなく, 発作時脳波から部分発作と診断し, 抗てんかん薬の投与を開始した. 4か月時にシリーズ形成性のepileptic spasmsが出現し, 脳波でhypsarrhythmiaを認めWest syndromeと診断し, ACTH療法を施行した. 治療効果は一時的で, 内服治療を継続したが難治に経過した. 4か月時に対光反射は正常であったが, 光に対する反応, 追視を認めなかった. 視覚誘発電位や網膜電図検査より皮質盲と診断された. その後の遺伝子検査でCDKL5遺伝子変異が判明した. CDKL5遺伝子変異の症状のひとつに視機能異常が挙げられている. 新生児期発症の難治性てんかんに視機能異常を合併した場合, CDKL5遺伝子変異の可能性を考慮すべきと考えられた.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 51 (1), 25-28, 2019

    一般社団法人 日本小児神経学会

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