歯科医師の行動調整法の選択要因と障害者自身の同意

書誌事項

タイトル別名
  • The Selection Factors of the Behavior Management Method during Dental Treatment by Dentists and Obtaining Consent from Persons with Disabilities Themselves:According to Questionnaire Results of JSDH-certified Dentists of the Japanese Society of Dentists
  • ―認定医へのアンケート結果から―

この論文をさがす

説明

<p>歯科医療における障害者の意思決定支援についての対応を検討するために日本障害者歯科学会認定医に対して行動調整の選択要因と障害者自身に同意を求めているか否かについてアンケートを行い,現状を把握した.</p><p>対象は2016年時に日本障害者歯科学会認定医1,053名のうち無作為に抽出した300名であった.有効回答は169名(56.3%)であった.アンケートは郵送法にて実施した.</p><p>クラスター分析により自院で実施できる行動調整法は,薬物使用群と薬物未使用群の2グループに分類できた.行動調整法を決める際に参考にするのは,「障害の重症度」「要治療歯数」「患者本人の希望」「通院時間」が薬物使用群で薬物未使用群より有意に多かった.「患者が治療に際し拒否行動がある場合,抑制法を保護者に説明するか」は,85.8%の者が必ず説明すると回答した.自院で全身麻酔法や静脈内鎮静法を実施できない70名に対する「患者が歯科治療に際し拒否行動がある場合,紹介を前提に全身麻酔法や静脈内鎮静法を保護者に説明するか」という質問は,「必ず説明する」が57.1%であった.「自院で歯科治療に際し行動調整法の選択を知的障害者本人に尋ね,同意を求めたことがあるか」に対して「毎回実施」が12.4%,「時々ある」が33.7%,「稀にある」が32.5%,「ない」が17.2%であった.障害者歯科医療における行動調整への説明・同意や意思決定支援については,プロセスを標準化した手引きが必要と考えられた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ