フィリピン・ベトナムにおけるグリーンインフラの海面上昇への適応評価と費用効果

  • 熊野 直子
    茨城大学 地球変動適応科学研究機関
  • 田村 誠
    茨城大学 地球変動適応科学研究機関
  • 井上 智美
    国立研究開発法人国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター
  • 横木 裕宗
    茨城大学 大学院理工学研究科都市システム工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • ESTIMATING THE COST OF COASTAL PROTECTION USING GREEN INFRASTRUCTURE AGAINST SEA LEVEL RISE IN PHILIPPINES AND VEITNAM
  • フィリピン ・ ベトナム ニ オケル グリーンインフラ ノ カイメン ジョウショウ エ ノ テキオウ ヒョウカ ト ヒヨウ コウカ

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抄録

気候変動に伴う海面上昇への適応策として,海岸線を防護し被害を軽減させる必要がある.熱帯などでは海岸線に分布するマングローブ林をグリーンインフラとして活用した海岸防護が行われており,堤防などの社会基盤と組み合わせることで,効果的に防護できるとされている.しかしながら,先行研究は特定の地区を対象にしたものが多く,海面上昇への適応策に関する国全体の影響評価,あるいは長期的な費用効果を分析した研究は少ない.そこで,本稿はフィリピンとベトナムを事例に,海面上昇に対して現存するマングローブ林を最大限に利用した場合における適応評価と費用効果を分析した.その結果,潜在的浸水面積と被害額が大きくなるベトナムではマングローブ林を活用した防護に国全体で経済合理性がある一方,フィリピンは国全体での費用便益比は小さく,地域毎のきめ細かいマングローブ植林計画が必要となることが示された.

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参考文献 (14)*注記

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