複合型ゼオライト系触媒の特性とナフサ接触分解プロセスへの適用
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- 程島 真哉
- 千代田化工建設株式会社 研究開発センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Properties of Zeolite-based Composite Catalysts and Their Application to Catalytic Naphtha-cracking Process
説明
当社では新たなon-purposeプロピレン製造法の実現を目指して,固定床型ナフサ接触分解プロセスの研究開発を実施している。ナフサ分解反応には,鉄,ガリウムおよびアルミニウム種を導入したMFI型ゼオライトとシリカバインダーからなる複合型触媒を用いている。主成分であるFe-Ga-Al-MFIゼオライトは各ヘテロ元素を最適な割合で骨格内に導入することで適度な酸強度と脱水素アルケン化能を併せ持ち,ナフサ分解反応において芳香族炭化水素の生成を抑え,高いオレフィン選択性を与える。更にシリカバインダーを用いて成形複合化した工業仕様触媒は,機械的強度が高いだけでなく,ゼオライトの持つ優れた酸性質が維持されるために,軽質炭化水素類を高選択的にプロピレンに変換するとともに,優れた耐コーキング性により触媒活性を長時間安定して持続し,固定床反応器への適用を可能とする。また,ナフサ接触分解法は従来技術である熱分解法に比較して反応温度が低くかつスチーム供給なしで進行するため反応工程での省エネルギー効果が大きく,プロセス全体でのナフサ消費量を約15%削減可能である。本稿では複合型ゼオライトの優れた触媒特性と,本ゼオライトを用いるナフサ接触分解法のプロセス工学的特性について解説する。
収録刊行物
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- ゼオライト
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ゼオライト 36 (1), 1-11, 2019-01-31
一般社団法人日本ゼオライト学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288125749760
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- ISSN
- 09187774
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可