【総説-応用糖質科学シンポジウム-】 <i>Ochromonas danica</i>由来1,3-β-グルカンホスホリラーゼの特性と応用

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タイトル別名
  • [Review: Symposium on Applied Glycoscience] Characterization and Application of 1,3-β-Glucan Phosphorylase from <i>Ochromonas danica</i>
  • Ochromonas danica由来1,3-β-グルカンホスホリラーゼの特性と応用
  • Ochromonas danica ユライ 1,3-v-グルカンホスホリラーゼ ノ トクセイ ト オウヨウ

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抄録

1,3-β-グルカンホスホリラーゼ(BGP)は1,3-β-グルコシド結合の加リン酸分解を可逆的に触媒する酵素である。BGPは40年以上前に発見された酵素であるが,研究報告がほとんどなく,詳細な性質が明らかにされてこなかった。本研究ではOchromonas danica由来BGP(OdBGP)の特性と一次構造を調べた。本酵素は三糖以上のラミナリオリゴ糖からラミナリンまで,幅広い分子量の糖質の加リン酸分解とその逆反応(合成反応)を触媒した。反応平衡は合成方向に傾いていることがわかった。α-グルコース1-リン酸とラミナリビオースを基質としてOdBGPの反応を行ったところ,直鎖1,3-β-グルカンが合成された。また,OdBGPとスクロースホスホリラーゼを併用した反応では,スクロースとグルコースを出発材料として1,3-β-グルカンをワンポット合成することができた。酵素合成グルカンを高眼圧(緑内障)モデルラットの硝子体に投与したところ,網膜神経節細胞の保護効果が認められた。OdBGPの一次構造中には既知の保存領域は認められなかったが,予測二次構造はGH 94ファミリーのホスホリラーゼと類似していた。

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