香港の新派武侠映画における日本映画の影響とその後の新たな発展

DOI
  • 鄺 知硯
    東北大学大学院国際文化研究科博士課程

書誌事項

タイトル別名
  • 武侠映画におけるワイヤーアクションに見る技術の吸収と改良

抄録

本稿は、1960年代前後の香港映画業界がいかに日本映画から技術を吸収したのかという経緯を踏まえ、ワイヤーアクションという技術に着目し映画の内容的な側面からこの技術吸収の意味と貢献を考察していく。1950年代から邵氏によって次第に日本から香港映画に輸入された、イーストマン・カラー、シネスコ、照明、ワイヤーアクションなどの技術的助けを得た香港北京語映画は急速に「現代化」の道を歩んで行った。 そして、香港映画業界で武術指導を務めた劉佳良と唐佳が日本映画からワイヤーアクションの技術を摂取・改良しつつ、1960年代ブームになった新派武侠映画でも応用した。この技術の活用によって、香港新派武侠映画は、技術と資金の乏しかった旧派武侠映画とは明白に区別されたジャンルとなり、市場における主流の地位を占めるようになった。このように、ワイヤーアクションに代表される技術的な成熟と香港映画におけるスペクタクル的表現との関連性が明白であることを指摘した。

収録刊行物

  • 映画研究

    映画研究 13 (0), 30-49, 2018

    日本映画学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288128057984
  • NII論文ID
    130007613018
  • DOI
    10.20758/jscsj.13.0_30
  • ISSN
    24239399
    18815324
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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