徳島県の家庭料理 主菜の特徴

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タイトル別名
  • Tokushima prefecture home cooking: main dishes
  • 地場食材を用いた主菜
  • Main dish using local foodstuff

抄録

【目的】徳島県は沿岸部、山間部、河岸部と異なる地形を擁し、昔は各地域間の交流があまりできない環境だった。今回、徳島県の家庭料理の調査より、昭和40年前後に徳島県の5つの地域で食されていた主菜の特徴をみた。<br>【方法】昭和35~45年頃に徳島県で食べていた料理について、家庭の食事作りに携わってきた61歳~85歳の人に聞き取り調査を実施した。そのうち、主菜として肉類・魚貝類・大豆・卵を用いた料理を、県中央部、県西部、県南山間部、県南沿岸部、吉野川北岸の5地区に分けてまとめた。<br>【結果】県南沿岸部ではカツオの沖なます、魚のあら煮、イノシシ・カツオのすき焼き、ふぐ鍋、生節・天ぷら・油揚げとイタドリの煮物、磯もんのぬた、ハスと太刀魚の酢の物、おひら、けんちゃ、れんぶがあった。県南山間部ではイノシシのすき焼き、ししなべ、鹿肉の唐揚、サワガニ、磯もんのぬた、ナマコの酢の物、ハスと太刀魚の酢の物、豆腐、けんちゃ、れんぶがあった。県中央部の徳島市内では牛肉・ちくわのすき焼き、れんぶ、県中央部の沿岸部では肉天焼き、穴子の蒲焼、鰯のつみれ、魚の南蛮漬、竹ちくわ、ナスと芝エビの煮物、シラウオの卵とじ・澄まし汁、ツベタの天ぷら・酢味噌和え、鱧の酢味噌和え、ハスと太刀魚の酢の物、シラス、けんちゃ、れんぶがあった。吉野川北岸では鯨のすき焼き、ししなべ、しじみ、カラス貝、フナ、ごぼうとドジョウの煮物、ワラビの卵とじ、おひら、れんぶがあった。県西部ではウサギ・鶏のすき焼き、ししなべ、鮎の焼き物、シラス、豆腐があった。<br> 昭和40年前後には、肉はイノシシなどが広く食され、魚介類は地場で獲れるものを食していた。魚加工品(ちくわ)、大豆を野菜と合わせた料理や豆腐料理は今でも広く食されている。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288128533376
  • NII論文ID
    130007479220
  • DOI
    10.11402/ajscs.30.0_240
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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