中学生の母子関係における親権威の概念の不一致と母子間葛藤,子どもの心理的適応との関連

書誌事項

タイトル別名
  • Discrepancies between Adolescents' and Mothers' Conceptions of Parental Authority, Mother-Adolescent Conflicts and Adolescents' Well-being
  • チュウガクセイ ノ ボシ カンケイ ニ オケル シン ケンイ ノ ガイネン ノ フイッチ ト ボシ カン カットウ,コドモ ノ シンリテキ テキオウ ト ノ カンレン

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説明

<p>本研究では青年期前期の子どもと母親における親権威の概念を分析し,母子における親権威の概念の不一致と母子間葛藤,子どもの心理的適応との関連を明らかにすることを目的とした。中学生の母子287組を対象として,母子における親権威の概念(親権威の正当性,規則への服従に対する認知),子どもの認知した母子間葛藤(葛藤の量,葛藤の激しさ)と子どもの心理的適応(抑うつ,不安,自尊感情)を調査し,分散分析と相関分析,共分散構造分析を行った。結果は以下の通りである。(1)子どもは母親より親権威の概念を低く評価し,親権威を拒否した。(2)高学年の母子は低学年の母子より親権威の概念を低く評価し,親権威を拒否した。(3)女子は男子より高いレベルの葛藤の量と激しさを報告した。(4)母子における親権威の概念の不一致は,母子間葛藤とネガティブな関連があり,さらに子どもの心理的適応とネガティブな関連があった。これらより,青年期前期の子どもと母が親権威に対する認知の不一致を理解することで,母子間葛藤の生成プロセスを明らかにすることができ,子どもの心理的適応に意義があることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 28 (1), 24-34, 2017

    一般社団法人 日本発達心理学会

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