糖尿病性ケトアシドーシス治療中に無症候性心筋障害を呈した緩徐進行1型糖尿病の1例

DOI
  • 藤井 優尚
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター茨城県厚生連総合病院水戸協同病院内分泌代謝・糖尿病内科
  • 伊藤 慶
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター茨城県厚生連総合病院水戸協同病院内分泌代謝・糖尿病内科
  • 熊谷 亮
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター茨城県厚生連総合病院水戸協同病院内分泌代謝・糖尿病内科
  • 片倉 幸乃
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター茨城県厚生連総合病院水戸協同病院内分泌代謝・糖尿病内科
  • 村松 愛子
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター茨城県厚生連総合病院水戸協同病院内分泌代謝・糖尿病内科
  • 大石 悠太
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター茨城県厚生連総合病院水戸協同病院循環器内科
  • 野牛 宏晃
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター茨城県厚生連総合病院水戸協同病院内分泌代謝・糖尿病内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Slowly Progressive Type 1 Diabetes Mellitus With Asymptomatic Myocardial Injury During Diabetic Ketoacidosis Treatment

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説明

<p>緩徐進行1型糖尿病の65歳男性.3日前から胃腸炎で食事摂取せず,2日前にインスリンを中断し,口渇著明で救急搬送された.血糖1029 mg/dL,HbA1c 10.8 %,pH 6.884,総ケトン体17168 μmol/L,K 7.9 mEq/L,P 10.4 mg/dLから糖尿病性ケトアシドーシスと診断.19時間後,pH 7.413,K 4.3 mEq/Lに改善したが,P 1.0 mg/dLと低値であった.同時に,無症状だがモニターでST上昇を認め,12誘導心電図から急性心筋梗塞が疑われた.冠動脈カテーテル検査で有意狭窄はなく,EF 30 %でびまん性に左室壁運動が低下していた.たこつぼ型心筋症としては非典型的であり,無症候性心筋障害と診断した.過去に1型糖尿病に関する同様の報告があり,ウイルス感染に伴う急性心筋炎や電解質や代謝の急激な変化が原因と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 62 (4), 220-225, 2019-04-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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