不安を訴える自閉症スペクトラム児への動作法面接

書誌事項

タイトル別名
  • Application of dohsa method-based counseling for an autistic spectrum child with anxiety and its related problems
  • フアン オ ウッタエル ジヘイショウ スペクトラムジ エ ノ ドウサホウ メンセツ

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抄録

<p>本研究では、不安やイライラ、怒り、孤立感、否定的な自己意識などを訴えた自閉症スペクトラム男児(面接開始時、小2)に対して動作法による母子合同面接を行った。本児の不安には、疲労や緊張などの心身の状態への気づきの困難、他児の気持ちや周囲の雰囲気の理解の困難、学習活動の躓きによる気分の落ち込み、母親との愛着関係の不全、などが関係していることが推測された。そこで、本研究では次の援助方針を立てた。①動作法の快適な体験によって、心身の疲労の軽減と情緒の安定を図る。②身体への気づきを通して、自分自身の情緒や認知の理解を図る。③母子合同面接を通して母子関係の改善を図り、母親の本児に対する理解と受容的な態度を促進する。④不安やイライラ、怒りなどの感情を「外在化」の方法を応用して「虫」に見立て、それをリラクセーションによって追い出すことによって、セルフコントロール感を高める。その結果、対人関係の困難や学習活動の躓きによる気分の落ち込みは依然として続いているが、4 年間にわたる55 回のセッションを通して不安や怒りと心身の疲労との関係に気づき、動作法によって情緒の安定を回復し、学習活動に対して前向きに取り組もうとする態度が見られるようになった。</p>

収録刊行物

  • 自閉症スペクトラム研究

    自閉症スペクトラム研究 12 (1), 5-17, 2014-11-30

    NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会

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