ヒゲナガカミキリ族カミキリとザイセンチュウ属線虫の共種分化関係

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タイトル別名
  • Co-speciation between long-horned beetles in the tribe Lamiini and phoretic nematodes in the genus <i>Bursaphelenchus</i>

抄録

<p>マツ材線虫病の病原体マツノザイセンチュウを含むマツノザイセンチュウ種群の線虫(以下、線虫)はヒゲナガカミキリ族カミキリ(以下、カミキリ)成虫によって分散する(便乗共生)。線虫は伝播カミキリの寄主植物にて増殖し、カミキリが羽化する際に便乗する。そのため、線虫の種分化は寄主植物とカミキリの影響を受けていることが予想される。我々は、主に日本および台湾産カミキリとそれらから分離された線虫について、核とミトコンドリアDNAの塩基配列に基づく分子系統樹を構築した。その結果、カミキリと線虫には、枯死木利用を祖先的形質として、針葉樹利用や広葉樹生木(枯死直後を含む)利用が進化した傾向が見られた。線虫とカミキリの利用する寄主植物の状態や範囲には関連が見られ、枯死木利用線虫とその媒介カミキリは広い寄主範囲を持ち、一対一、もしくは一対多の関係にあった。広葉樹生木利用の線虫とカミキリは寄主範囲が狭く、かつ一対一の関係にあった。針葉樹利用の線虫とカミキリは単系統性を示し、一対一、もしくは一対多の関係にあり、針葉樹専食化に伴う共種分化の可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288135649408
  • NII論文ID
    130007645209
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_189
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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