奥秩父山地の非撹乱森林における樹木萌芽生産の種間・種内のパターン
書誌事項
- タイトル別名
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- Inter- and intraspecific patterns in resprouting of trees in undisturbed natural forests in the Chichibu mountains
抄録
<p>萌芽生産は,個体維持・森林更新の重要なプロセスであるが,種子生産や実生更新などと比較して理解が遅れている。とりわけ,非撹乱状態の森林における萌芽生産の知見は限られている。本研究では,奥秩父山地の非撹乱天然林で樹種特性・環境条件とともに萌芽生産を調べ,萌芽生産に関する種間・種内のパターンを解析した。種間パターンの解析では,種ごとの萌芽生産・母幹成長・個体が複数の幹を持つ程度(多幹性)・優占度の間の関係を構造方程式モデルで定式化した。萌芽生産と母幹成長は負の相関を持ち,萌芽生産は多幹性に正の影響を与えていた。多幹性は,母幹成長を介して優占度に間接的な負の影響を与え,同時に優占度に直接的な正の影響も与えていた。種内パターンの解析では,0過剰ポアソン分布を用いた階層ベイズモデルを使用して,母幹サイズ・母幹成長速度・平均土壌温度・土壌窒素濃度・土壌pH・斜面傾斜・シカ摂食の有無から幹あたりの萌芽数を説明するモデルを構築した。多くの樹種で,萌芽数に対して母幹成長速度が負の,土壌温度が正の影響を与えていた。これらの知見は,非撹乱状態の森林における萌芽生産が,森林動態で果たす役割を理解する出発点となる。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 130 (0), 621-, 2019-05-27
日本森林学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288135694592
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- NII論文ID
- 130007645658
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可