分極力場の開発によるアルミノケイ酸ガラスの構造研究

  • 石井 良樹
    大阪大学大学院 基礎工学研究科 化学工学領域

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説明

本研究では,アルミノケイ酸塩ガラスの分極力場を開発し,その分子動力学計算を用いて,ガラスの架橋構造について考察した.分極力場のパラメータは,密度汎関数法に基づく第一原理計算の分極状態と力を再現するように,Force Matching法を用いて最適化した.本研究では,まず等方的な斥力を仮定したモデルを用いて分極力場を最適化したところ,Alの四面体構造が歪んで,実験値と異なる5配位構造を形成した.一方で,イオンの変形を考慮した異方的な斥力モデルで最適化したところ,5配位構造は解消され,NMRスペクトルも実験値と良い一致を示した.そこで,ガラスの架橋構造を詳しく調べたところ,Al-O-Alの架橋酸素の双極子モーメントだけが顕著に小さいこと,またその架橋角度は比較的広く分布し,不安定であることを明らかにした.またこの架橋酸素は密度が増加すると大きく折れ曲がることから,アルミノケイ酸塩ガラスの架橋構造はAl-O-Alの架橋酸素が優先的に壊れて,三配位酸素となることを明らかにした.

収録刊行物

  • アンサンブル

    アンサンブル 20 (1), 52-57, 2018-01-31

    分子シミュレーション学会

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288136239360
  • NII論文ID
    130007649483
  • DOI
    10.11436/mssj.20.52
  • ISSN
    18845088
    18846750
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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