山地源流域における六フッ化硫黄濃度と地下水滞留時間推定値の変動要因

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タイトル別名
  • Variation of sulfur hexafluoride concentration and estimates of residence time of groundwater in headwater catchment

抄録

<p>地表面に供給された雨水が流域を通過するのに要する時間は滞留時間と呼ばれ, その推定においては近年, 大気由来の六フッ化硫黄ガスを用いた手法が注目される. しかしその適用に際しては, 大気からの涵養条件や時空間的な分布特性による滞留時間推定値への影響に関して不明瞭な点も多い. そこで本研究ではトレーサーとなる六フッ化硫黄の大気・地下水中の時空間的分布に着目し, 滋賀県田上山系に位置する桐生水文試験地にて濃度観測を行った. 恒常的に存在する地下水を対象に2018年1月より毎月の観測を実施した結果, 溶存濃度には冬季から夏季にかけて減少傾向が見られたが, こうした変動は地下水位等の水文条件のみに依存せず, 大気からの涵養量の季節性や局所性の影響を受けることが推測された. また大気中の濃度は北半球平均を上回る高濃度が観測され, また観測時期により大きな変動が見られたことから, 局所的に高濃度の涵養が生じる可能性が示唆された. 溶存濃度値から導出される滞留時間推定値は涵養時の環境条件に大きく依存することから, 比較的滞留時間の短い源流域スケールでの適用に際しては, 大気・地下水両者の継続的観測が必要であることが指摘された.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288136253952
  • NII論文ID
    130007645151
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_164
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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