落葉広葉樹の木部通水機能の回復性にはどのような生理的特性が影響するのか

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タイトル別名
  • What physiological traits affect the recovery in xylem hydraulic conductivity for deciduous broad-leaved trees species?

抄録

<p>変動する土壌水分条件下で木部通水機能を維持する上で重要な通水機能の回復性は、空洞化した道管が再び水で満たされること(再充填)によって起こると考えられている。道管の再充填による回復性は種によって様々であるが、種特有のどのような生理的特性が種間差に影響するのかについては明らかにされていない。再充填は隣接する生細胞から空洞化した道管への糖輸送に基づく浸透勾配が引き金となり起こると考えられていることを踏まえると、再充填による回復性の種間差には、糖の輸送に関わる生理特性が影響することが予想される。本研究では、回復性の異なる落葉広葉樹6種のポット苗を用いて、糖の輸送に関わる樹体の生理特性(最大光合成速度、幹の可溶性糖含量、葉の膨圧を失うときの水ポテンシャル、木部の構造的特性など)を求め、これらと通水機能の回復性との関係性を評価した。その結果、回復性の種間差には湿潤下での光合成能力の高さや幹の可溶性糖含量の高さが関与していると考えられた。さらに、乾燥下で葉の膨圧を維持し活性を維持できるかどうかが、葉から幹への糖の転流や、空洞化した道管への糖の輸送へ寄与している可能性が考えられた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288136841472
  • NII論文ID
    130007645199
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_124
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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