蔵王連峰オオシラビソ林の集団枯損の分布と更新立地

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タイトル別名
  • distribution of mass mortality and regeneration site in <i>Abies mariesii</i> forest of Zao mountains

抄録

<p> 東北地方にある蔵王連峰のオオシラビソ林では、2016年から加害昆虫により枯損木が増加しており、被害の拡大が危惧される。冬季に樹氷となる同種の森林は観光資源でもあるため、被害箇所や更新状況を把握し、森林動態を広域に予測する必要がある。そこで、GISにより集団枯損の分布とその立地条件を空間的に解析し、林床に繁茂するササの被度と同種の更新木密度との関係を現地調査から検討した。蔵王連峰に分布する同種の森林のうち、山形県側の約600haを対象に2455個の50mメッシュに分割した。衛星写真を用いて各メッシュ内の枯損木を判読し、メッシュ内立木数に占める枯損個体の割合(枯損率)を算出した。その結果、約8割のメッシュは枯損率が10%以下であったが、90%を超える枯損率のメッシュが50個あり、それらは高標高域に集中していた。10m四方の30調査区で毎木調査を行い、併せて林床植生と更新木の数を調べたところ、ササの被度と更新木密度には負の相関関係があった。また、標高の高い調査区ほどササの被度は高く、枯損率9割以上の林分に稚樹や実生は全くなかった。このことから、集団枯損した林地の天然更新は困難と予測される。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288136894464
  • NII論文ID
    130007645665
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_619
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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