両側後縦隔原発の髄外造血巣の1手術例

DOI Web Site 参考文献11件 オープンアクセス
  • 樋口 光徳
    福島県立医科大学会津医療センター呼吸器外科
  • 渡部 晶之
    福島県立医科大学会津医療センター呼吸器外科 福島県立医科大学医学部呼吸器外科
  • 押部 郁朗
    福島県立医科大学会津医療センター外科
  • 添田 暢俊
    福島県立医科大学会津医療センター外科
  • 斎藤 拓朗
    福島県立医科大学会津医療センター外科
  • 鈴木 弘行
    福島県立医科大学医学部呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A surgical case of extramedullary hematopoiesis in the bilateral posterior mediastinum

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抄録

<p>症例は72歳男性.咳嗽の治療中に偶発的に両側後縦隔に腫瘤陰影を指摘された.CTでは,Th9レベルの右側傍椎体部に32 mm大の腫瘤陰影とTh11レベルの左側傍椎体部に33 mm大の腫瘤陰影を認め,ともに神経原性腫瘍が疑われた.腫瘍の確定診断と治療を目的に右側の腫瘍に対して胸腔鏡下腫瘍摘出術を施行した.腫瘤は暗紫色を呈した囊胞状で,非常に脆弱で易出血性であった.病理学的所見では,顆粒球系,巨核球系,赤芽球系の細胞群から成る造血巣が広範に認められ,髄外造血巣と診断した.術後の検索では血液疾患の存在を認めなかった.左側の腫瘍に対する評価目的に,インジウム(111In)シンチグラフィーを施行したところ,左側の腫瘍に一致した111Inの集積を認めたため,右側と同様に髄外造血巣と診断し経過観察の方針とした.両側後縦隔傍椎体領域に腫瘤を認める場合には血液疾患の存在や髄外造血巣も念頭に精査を行なう必要がある.</p>

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参考文献 (11)*注記

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