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- Priyanka MITRA
- 横浜国立大学環境情報研究院
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- 金子 信博
- 横浜国立大学環境情報研究院
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- 渡邊 芳倫
- 近畿大学農学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Methane emission from no-tillage with weed green mulch paddy field
- フコウキソウセイ スイデン カラ ノ メタン ホウシュツ
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説明
<p>奈良県桜井市で不耕起・草生栽培で長年管理されている水田からのメタン放出速度を,隣接する慣行栽培の水田と比較した.不耕起・草生水田では4cmの厚さで土壌表層に細根が集積し,土壌炭素濃度が高かったが,鉱物質土壌層の全炭素,窒素濃度は慣行のほうがやや高かった.メタン放出は5月にはほとんど観測されなかったが7月から9月にかけて多くなった.慣行に比べ,不耕起・草生の水田からはきわめてわずかしかメタンが放出されていなかった.メタンを酸化するメタン分解菌の土壌中でのバイオマス量をリン脂質脂肪酸量で推定したところ,慣行で少なく,不耕起・草生で多く,メタン放出速度と負の関係を示した.不耕起・草生水田では土壌有機物が土壌表面に多く堆積しているにもかかわらず,メタン排出が少なかった.不耕起・草生による水田管理はメタン放出抑制の点で,生態系サービスを評価出来る可能性がある.</p>
収録刊行物
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- 有機農業研究
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有機農業研究 9 (2), 48-52, 2017-12-25
日本有機農業学会