燃料電池触媒層のクラックの起点解析

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Crack Initiation Sites of Fuel Cell Catalyst Layers
  • ネンリョウ デンチ ショクバイソウ ノ クラック ノ キテン カイセキ

この論文をさがす

説明

<p>固体高分子形燃料電池の触媒層は,触媒インクと呼ばれる粒子分散液(スラリー)を塗布・乾燥させることで製造しているが,その際にクラックが発生し問題となることがある.粒子が分散しただけの単純なスラリーの場合についてはクラックの要因や対策が明らかにされているが,燃料電池の触媒インクは,アイオノマーを含むより複雑なスラリーであり,クラック発生のメカニズムが十分に明らかになっていない.今回,固体高分子形燃料電池の触媒層におけるメカニズムを解明するため,乾燥・クラック発生時の触媒層内部の疎密構造を放射光を用いたX線ラジオグラフィーにより測定した.その結果,触媒インク中に含まれる凝集物がクラックの起点になる場合と乾燥時に周囲よりも疎な部位がクラックの起点になる場合の二種類の場合が存在することを明らかにした.触媒インク中の凝集物と,乾燥時の疎密を制御することでクラック密度を制御できるようになると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 76 (3), 196-206, 2019-05-25

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ