希少な天然秋田スギ“アオヤジロ”における葉部色素含量の季節変化

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タイトル別名
  • Seasonal changes in the pigment content of rare natural cedar (<i>Cryptomeria japonica</i> )“Aoyajiro” needles in Akita Prefecture
  • キショウ ナ テンネン アキタ スギ"アオヤジロ"ニ オケル ヨウブ シキソ ガンリョウ ノ キセツ ヘンカ

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抄録

天然秋田スギの突然変異種の1つアオヤジロは,葉が黄色を呈するという外観上の特徴を持つ。本研究ではこの黄化 に関わる主な部位や季節性を解明するため,2013 年6 月から2014 年4 月までアオヤジロの当年葉と前年葉に含まれる色素含量の変化を調べ,一般的なスギ(精英樹)やオウゴンスギと比較した。その結果,アオヤジロとオウゴンスギでは,6,7 月において当年葉中に含まれる全クロロフィル量が精英樹より少なかった。その後,オウゴンスギの全ク ロロフィル含量は急激に増加したが,アオヤジロでは翌1 月まで精英樹のほぼ半分量のままであった。カロチノイドにおいては,当年葉中の含量をみる限り各スギで全クロロフィル量とほぼパラレルに推移する傾向があった。また,前年葉の色素含量については黄化への関与を示唆するような顕著な変動はみられなかった。以上から,アオヤジロやオウ ゴンスギの葉の黄化は,針葉樹の黄葉にひろく見られるクロロフィルの減少と,それに伴う残存カロチノイドの表出によって発現することが示唆された。また,9 月頃に当年葉の色調を観察することでアオヤジロとオウゴンスギを容易に判別できることが明らかとなった。

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