石森延男と第5期国定国語教科書――第二次世界大戦期における文部省への招聘理由と執筆教材

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  • 宇賀神 一
    神戸大学大学院生 日本学術振興会特別研究員

書誌事項

タイトル別名
  • Nobuo Ishimori and the 5th Term National Textbook: Reasons for Invitation to the Ministry of Education and Teaching Materials
  • イシモリエン オトコ ト ダイ5キ コクテイ コクゴ キョウカショ : ダイニジ セカイ タイセンキ ニ オケル モンブショウ エ ノ ショウヘイリユウ ト シッピツ キョウザイ

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抄録

<p>本稿は、石森延男と第二次世界大戦期に編纂された第5期国定国語教科書の関係を明らかにするもものである。とくに、①なぜ石森が文部省に招聘されたのかという理由と、②石森が執筆した教材の内容的特徴と、その基底をなした彼の思想について検討を行った。</p><p>そこで明らかになったのは、石森の文部省招聘には、「東亜」に関する教材を執筆するという教育内容上の要求、合科主義に基づく国語教科書の編纂という教育方法上の要求、対外的な日本語波及のための教科書作成という教育政策上の要求といった三つの力学が働いていたことであった。</p><p>教材の内容に関しては、軍国主義的な性格や、「民族ナショナリズム」に基づく日本中心主義的性格が内在することが分明となった。石森は、時代の要求に応え得た有能な教科書編集者であった。</p>

収録刊行物

  • 国語科教育

    国語科教育 85 (0), 23-31, 2019-03-30

    全国大学国語教育学会

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