O-2-B05 エアロモニタAE-310Sを用いた重症心身障害児者の安静時消費エネルギー定量の有用性

  • 石垣 英俊
    国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科
  • 本橋 裕子
    国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科
  • 竹下 絵里
    国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科
  • 石山 昭彦
    国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科
  • 斎藤 貴志
    国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科
  • 小牧 宏文
    国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科
  • 中川 栄二
    国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科
  • 須貝 研司
    国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科
  • 佐々木 征行
    国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科

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説明

背景 重症心身障害児者はQOLが向上し、日常の健康管理や感染予防の観点から栄養管理が重要視されている。しかし、患者毎の適正な摂取カロリーを定義することが難しく、客観的な指標による栄養評価が必要である。エアロモニタAE-310Sは間接熱量測定によって安静時呼吸の消費エネルギー(resting energy expenditure : REE)を実測し基礎エネルギー消費量を直接算出することができるため、スポーツ選手の運動負荷モニタリングや呼吸循環疾患、炎症性疾患患者の心肺機能評価等に応用されており、人工呼吸器装着下でも測定可能である。そこでわれわれは当院重症心身障害児者にエアロモニタAE-310Sを用いてREEの算出を行い、摂取エネルギー量や体格および体調の変化との比較検討を行ったので報告する。 方法 対象は当院大島分類1の脳性麻痺患者11名(男性4名、女性7名。14歳から48歳。人工呼吸器2名、喉頭気管分離術後8名。ボトックス注射2名)。エアロモニタAE-310Sを用いて安静時REE値を算出し、摂取エネルギー量と比較した。また感染症罹患の頻度、重症度により体調良好群と不良群の群間比較を行った。痙直型脳性麻痺2例ではボトックス注射前後で個人内のREE値の変化を比較した。 結果 当院脳性麻痺患者においてエアロモニタを用いたREEと摂取エネルギー量との間に差はなかった。また体調良好群と体調不良群では明らかな差はなかった。ボトックスを注射した2例については注射前に比べ注射後にREE値が低下した。 考察 エアロモニタAE-310Sは、重症心身障害児者の中でも気道がone wayであれば短時間に安定した算出値が得られ、繰り返し測定できるため、定期的な栄養評価において摂取エネルギーの定量やボトックスの治療効果の指標として活用が期待できる。

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