「期首仕掛品から減損が生じない」という仮定にもとづく総合原価計算の研究

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タイトル別名
  • Process Costing on the Assumption that No Waste accrues from Beginning Inventories of Work in Process
  • 「 キシュ シカケヒン カラ ゲンソン ガ ショウジナイ 」 ト イウ カテイ ニ モトズク ソウゴウ ゲンカ ケイサン ノ ケンキュウ

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説明

<p>本論文の目的は,「製造工程の始点で材料が投入され,かつ工程の一定点で減損が生じ,期首仕掛品が当期に入って減損発生点を通過する.」という生産状況を対象とし,従来の総合原価計算で用いられている「期首仕掛品から減損が生じない」という仮定を取り除いた場合について,正常減損非度外視法による先入先出法を採用した場合の任意の2原価計算期間の単純総合原価計算の理論モデルを示すことである.この際,(1)「工程原価構成図」と「完成品換算量図」を使用して,「前期着手当期完成品原価」および「期首仕掛品から生じた減損原価」の測定方法を示す.さらに,(2)減損の完成品換算量への換算係数の概念を導入し,その計算方法を示し,また(3)作業屑を減損の概念に包摂し,従来の控除法ではなく非度外視法を適用して,作業屑原価を算定するべきことを提示する.そして,(4)上記の生産状況において,期首仕掛品が当期に入り減損発生点を通過した場合,直接材料費の仕掛品の進捗度(換算係数)の上限は,通常は「1」とされているが,これが妥当ではないことを示し,新たな仕掛品換算係数の計算方法を提案する.さらに,(5)従来の方法では,期末仕掛品原価には次期において減損となる部分が含まれていることが写像されないことを明らかにする.</p>

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