うつ病改善後の残遺不眠を訴える慢性不眠症患者に対する機能的アセスメントに基づく介入効果

DOI
  • 岡島 義
    東京医科大学睡眠学講座:睡眠総合ケアクリニック代々木:公益財団法人神経研究所附属睡眠学センター

書誌事項

タイトル別名
  • Behavioral Intervention Based on Functional Assessment for an Individual with Residual Insomnia after Remission of a Major Depressive Disorder with Pharmacotherapy : A Case Study

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抄録

薬物療法によって抑うつ症状が改善した患者の多くに、不眠が残遺することが明らかにされている。本報告では、うつ病の改善後も数種類の睡眠薬を服用しているにもかかわらず不眠症状が改善しない69歳の男性に対して、機能的アセスメントに基づく介入を実施した。機能的アセスメントによって、現在の行動は、眠れないことによる不快感を下げるための回避行動として機能しており、その回避行動は、言語行動を含むいくつかの弁別刺激によって生じていると考えられた。アセスメントに基づいて、5回の介入セッションと11回のブースターセッション(1回50分)を実施した結果、第2セッション後に入眠潜時は60分から10分に、中途覚醒時間は180分から33分に短縮し、服薬中止後に不眠重症度質問票の得点は24点(重症)から7点(寛解)に減少していた。このことから、機能的アセスメントに基づく本介入は、うつ病の残遺不眠を有する本症例に対して有効であったと考えられる。

収録刊行物

  • 行動療法研究

    行動療法研究 40 (1), 1-11, 2014-01-31

    一般社団法人 日本認知・行動療法学会

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