O-070 腰椎伸展時痛を有する少年野球選手の身体機能特性
説明
<p>【目的】</p><p>野球選手は年代とともに腰部障害の有病割合が上昇する。腰椎伸展時痛は腰椎分離症など脊椎後方構成体の障害で誘発されやすく、現場でのスクリーニングによる早期発見は重要であると考える。腰部症状を有する高校野球選手以上の身体機能特性の報告は散見されるが、少年野球選手を対象としたものはみられない。本研究の目的は、腰椎伸展時痛を有する少年野球選手の身体機能特性を検討することとした。</p><p>【方法】</p><p>対象は少年野球チームに所属する4-6 年生の小学生412 名とした。方法は、腰椎ストレステスト、身体機能評価を行った。</p><p>腰椎ストレステストは立位にて腰椎伸展を行った。身体機能評価は1) 投球側踵臀部距離 2)SLR 3) 股関節屈曲可動域 4) 股関節内旋可動域 5) 股関節外旋可動域 6) 体幹回旋可動性検査 7) 広背筋テスト 8) 片手フロントブリッジ 9) 両脚三段跳び 10) サイドジャンプを行った。2)-6) は投球側、非投球側を測定した。腰椎ストレステストにて有痛群、無痛群に分け、実測値を測定した項目はMann-Whitney U 検定、可・不可で測定した項目はχ2 検定を用い二群間で比較した。有意水準は5%とした。</p><p>【説明と同意】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言に基づき、対象者への倫理的配慮を行った。</p><p>【結果】</p><p>非投球側SLR において有痛群61.0 ± 9.2°、無痛群67.2 ±12.2°であり有痛群が無痛群に比べ有意に低値であった</p><p>(p=0.005)。</p><p>【考察】</p><p>本研究結果では有痛群において非投球側SLR のみ有意に低値を示した。SLR の制限因子としてハムストリングスの柔軟性低下が挙げられ、投球動作でのfoot contact 時における非投球側股関節伸筋群の遠心性収縮の反復により生じる可能性がある。非投球側ハムストリングスの柔軟性低下は骨盤前傾を制限し、野球競技動作において腰部に過度な伸展ストレスを生じていると考える。そのため、腰椎伸展時痛を有する少年野球選手におけるハムストリングスの柔軟性改善は重要と考える。</p>
収録刊行物
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 36 (0), 70-70, 2017
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288145600000
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- NII論文ID
- 130007623738
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可