高齢障害者一症例に対するシーティングが食事動作に与える影響

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タイトル別名
  • Impact of seating to the eating operation in an elderly person with disabilities
  • コウレイ ショウガイシャ イチ ショウレイ ニ タイスル シーティング ガ ショクジ ドウサ ニ アタエル エイキョウ

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抄録

車いす座位において姿勢の崩れが著明な高齢障害者一症例に対して,食事動作時のスプーンの操作性向上を目標に,シーティングを実施した.頭頸部と上部体幹の伸展位保持の獲得を目的として,左右のラテラルサポート,ランバーサポート付のバックサポートを作製した.また,体幹正面にて左上肢屈曲位で支持できるアームサポートを作製した. 分析項目は,背面のセンサー数,平均圧力,最大圧力,重心軌跡,食事場面での車いす座位姿勢として,頭頸部屈曲,体幹屈曲,頭頸部左側屈,体幹左側屈の各角度,上肢のスプーン操作として右肩関節屈曲,外転,右肘関節屈曲の最大値,最小値,運動範囲とし,シーティングの前後で比較した. 結果,背面のセンサー数は増加,最大圧力は減少し,頭頸部屈曲,体幹屈曲,体幹左側屈の各角度は減少した.スプーン操作は,肩関節屈曲及び外転の最大値と運動範囲は減少,肘関節屈曲の運動範囲は増加し,車いす座位姿勢と食事時のスプーン操作に改善が認められた. 対象者の身体状況や生活環境に応じたシーティングを実施することで,潜在能力を引き出し,生活動作の改善につながる可能性が示唆された.

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