温泉地において長期滞在需要を高めるには何が必要か~現地調査に基づく考察から~

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タイトル別名
  • What Is Necessary to Enhance Long-Stay Demand in Spa Health Resort? ~From Considerations Based on Field Work~
  • オンセンチ ニ オイテ チョウキ タイザイ ジュヨウ オ タカメル ニワ ナニ ガ ヒツヨウ カ : ゲンチ チョウサ ニ モトズク コウサツ カラ

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抄録

<p>  環境省では2017年から,「新・湯治」政策を推進し,温泉地における保養型の長期滞在を促し,温泉地の活性化に取り組んでいる.では,保養型滞在の受け皿となる温泉地では,長期滞在者を受け入れるためにどのような取り組みが行われているのであろうか.本報告では,下呂温泉,小坂温泉郷(湯屋温泉,下島温泉,濁河温泉),湯涌温泉,白山温泉郷(手取温泉,新岩間温泉,白山一里野温泉,中宮温泉),湯ノ口温泉を対象として,各温泉地での取り組みについて調査を行った.</p><p>  環境省の「新・湯治」推進プランにおいても,また,温泉地の空間形態や空間構造を研究した下村の論文においても,長期滞在のためには,温泉地の周辺環境を含めた地域資源を活用した新たな空間価値や体験価値を付加することによって,滞在にふさわしい寛ぎの空間を創出していくことの必要性が提示されている.</p><p>  そこで,上記5か所10温泉地において,そのような「空間価値や体験価値を付加する」取り組みが行われているかどうかを,関係者へのヒアリングや現地視察によって調査した.その結果,下呂温泉,小坂温泉郷,一里野温泉においては,長期滞在が可能となるような取り組みが行われていたことがわかった.しかし,ニーズがその活用に至っていないため,取り組みを活用した長期滞在者がほとんどないこともわかった.さらに,山間の高原地域においては,エコツーリズムが滞在プランとして考えられること,温泉街になっている温泉地では,街中の文化施設も活用した街歩きや散策,周辺観光レクリエーション地への日帰り活用も滞在プランとして考えられることもわかった.</p><p>  今後は実際に長期滞在が実施されている温泉地の調査が必要と考えられる.</p>

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