板紙の誕生と発展

書誌事項

タイトル別名
  • The History of Paperboard
  • 板紙の誕生と発展(第3部)日本での板紙生産の歴史
  • イタガミ ノ タンジョウ ト ハッテン(ダイ3ブ)ニホン デ ノ イタガミ セイサン ノ レキシ
  • Part 3:Paperboard Production in Japan
  • 第3部 ‌‌日本での板紙生産の歴史

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抄録

<p>明治に入り,欧米流の社会システムが日本に導入され,それを支える産業が生まれてくる。製紙産業もその一つで,活版印刷向けの印刷紙と,物流を促進する紙器向けの板紙の生産を模索する。</p><p>まず,輸入板紙により紙器の市場が生まれ,1886年には4,000トン/年程度に増加した。その市場を目指して国産化が始まり,長網抄紙機(当時として大型の新鋭機)を輸入し,わらパルプを用いて生産しだす(厚紙は張り合わせ)。原料が稲わらであったことから,紙器の需要増をみこして,地方の起業家が紙器用板紙の生産に乗り出してくる。東京,静岡,大阪に始まり,岡山,新潟,北陸,群馬,佐賀と地場産業として広がっていき,1930年頃は空前のブームとまでなった。それを支えたのが,力を付けてきた国内の抄紙機メーカーで,円網抄紙機を数多く納入した。1930年頃から原料が稲わらパルプから古紙に転換していったと推測する。</p><p>段ボールは,紙器より遅れて,1930年頃から使われだすが,戦前では,本格化するまでには至らなかった。</p><p>板紙生産は,統計の取られだした1914年から紙・板紙生産量の30–40%で,現在も40%程度である。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 73 (4), 352-359, 2019

    紙パルプ技術協会

参考文献 (3)*注記

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