妊娠後期に感染性心内膜炎となり帝王切開術後に僧帽弁形成術を施行した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case report of infective endocarditis at 36 weeks of gestation operated mitral annuloplasty after cesarean section
  • 症例報告 妊娠後期に感染性心内膜炎となり帝王切開術後に僧帽弁形成術を施行した1例
  • ショウレイ ホウコク ニンシン コウキ ニ カンセンセイシン ナイマクエン ト ナリ テイオウ セッカイ ジュツゴ ニ ソウボウベン ケイセイジュツ オ シコウ シタ 1レイ

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抄録

<p>妊娠中の感染性心内膜炎(infective endocarditis;IE)はきわめてまれであり,疣贅による塞栓症のため周産期予後が悪化する.今回,妊娠後期にIEを発症したが母児ともに良好な経過を得た症例を経験したので報告する.症例は28歳,G1P0.妊娠36週に38℃の発熱と嘔吐が出現し,抗菌薬内服を開始したが発熱は改善しなかった.妊娠37週に聴診で心尖部に汎収縮期雑音を認めたため,心エコー検査を行い僧帽弁に疣贅を認めIEと診断した.早期terminationのため搬送当日に緊急帝王切開術を施行した.児は男児で2676g,Apgar score1分値 8点/5分値 9点であった.抗菌薬治療終了後も僧房弁逸脱が残存したため,術後183日目に僧帽弁形成術を施行した.妊娠中のIEはきわめてまれであるが,対応が遅れると母児の予後が急激に悪化する可能性がある.妊娠中の不明熱は,視診や聴診などの身体診察による全身検索を行い,IEの存在も念頭において診療することが重要である.〔産婦の進歩71(2):135-141,2019(令和元年5月)〕</p>

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