外国産米の性状と利用について : とくにタイ米について

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タイトル別名
  • Cooking Properties and Utilization of Imported Rice : On Indica Rice from Thailand

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説明

ウルグアイラウンドの合意による米の輸入義務(ミニマム・アクセス)は年間40万トンとなり, 6年後には80万トンにもおよぶ.その決定を前後して, 冷夏による米不足の解消のため250万トンが緊急輸入されたが, タイ国産米は日本産のジャポニカ種とは異なりインディカ種のためその食味は大きく異なり, 日本人の嗜好に合わず大きな問題を投げかけた.マスコミはいっせいにタイ米のおいしい調理法の指導をはじめたが, 不人気はいっこうにおとろえない.そこで我々はタイ米と国産米の特質を把握し適切な調理法を知るために調査をした.その結果, 国産米と同じ程度の硬さに炊き上げるには炊飯時の加水量は米の重量の1.70倍が望ましい.タイ米と国産米をブレンドして炊飯した場合には, タイ米は上部に固まりやすいので, 蒸らしののち充分に上下を混合する必要がある.タイ米調理に適切であると考えられるピラフを作成し, 国産米と比較したが味の好みだけは大差なかった.しかし香り, 粘り, 総合評価について1%危険率で, 外観については5%危険率で有意差を認め国産米の嗜好度が高く現れ, ピラフに調理した場合でも国産米で作ったピラフに対する嗜好度が高く, 粘りがあり, しかもふっくら柔らかく仕上がっている国産米に対する根強い嗜好性があることがわかった.ブレンド米の食味改良効果があるとされている添加物の効果を官能検査により判定した.粉寒天1%, 酒5%, 米油1%及び餅米5%を各々ブレンド米に加えて炊飯した結果, 食味改良効果が一番強いとされたのは餅米5%添加のものであった.特に粘りについての好みはクレーマーの検定により5%危険率で有意差を認め, 最も好まれた.また, 硬さについては無添加ブレンド米が最も嫌われ, 5%危険率で有意差を認めた.インディカ米とジャポニカ米を同じ調理法で利用することには多少の無理があり, それよりもインディカ米の特質を充分理解したうえでインディカ米にふさわしい調理法による利用が普及することが望まれる.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288151081984
  • NII論文ID
    110000473029
  • DOI
    10.24609/nbukiyout.21.0_129
  • ISSN
    24336548
    09146474
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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